訪問看護で働くデメリットを紹介します
最低限の礼儀作法やマナーは必須
訪問看護師は患者さんの自宅を訪問するため、ケアやリハビリを行う際に(患者さんの領域に入るのではなく)アウェー感を感じてしまう。
そのため、マナーやエチケットには十分気を配る必要があります。
例えば、玄関での靴の脱ぎ方、履き方。病院や施設とは違い、患者様のご自宅での振る舞いなど、一般的な礼儀やマナーに気を配る必要があります。
訪問看護では、患者さんやご家族と信頼関係を築き、スムーズにサービスを提供するための第一歩として、礼儀やマナーがとても重要です。各家庭によって礼儀作法やマナーのルールや意識が異なる場合もあり、難しいところではありますが、基本的なルールとして一般的な礼儀作法やマナーを身につけることが必要です。
医療処置スキルを発揮する機会が少ない
訪問看護の利用者は比較的安定した状態の方が多いため、高度な医療行為が必要とされる場面はあまりありません。
難病や末期がんなど、医療依存度の高い患者さんもいますが、訪問看護師は療養生活のケアを担当することが多くなります。
そのため、訪問看護の期間が長くなればなるほど、治療技術が鈍るというデメリットを感じるかもしれません。
オンコールがある
基本的に訪問看護に夜勤はありませんが、月に数回、夜間の患者さんの急変に対応するため、オンコール対応があります。
オンコールは、担当者が専用の携帯電話を自宅に持ち帰り、自宅で待機して患者さんやご家族からの電話に対応するのが一般的です。
担当当日は緊張するため、これをデメリットと感じる人も多いようです。
オンコール担当の頻度、電話の鳴る頻度、緊急訪問の頻度などは訪問看護ステーションによって異なるので、転職先を決める際に確認しておくとよいでしょう。
オンコールとは?
利用者の急変等緊急時に備えて24時間365日緊急対応ができるよう体制を整えて待機することを「オンコール」といいます。昨今における利用者のニーズの多様化に伴い、多くの訪問看護ステーションにおいてオンコール制度が導入されており、利用者や家族が安心して療養生活を送るために重要な役割を担っています。
教育・研修プログラムがない施設・企業もある
訪問看護ステーションの中には、教育研修制度やキャリアラダーが決まっていないところもあります。
スタッフ5名程度の小規模なステーションが多いため、教育に割くマンパワーが不足しているのです。
一方、訪問看護の世界では、実践を通してマンツーマンで丁寧に育てるという文化があります。
「アセスメント力(客観的に評価・分析する能力)」が求められる
訪問看護師には、高いアセスメント能力が求められます。
すぐに会いに行ける病棟とは違い、訪問看護では週1~2回の訪問という限られた時間の中で、ちょっとした会話や日常生活の変化から多くの情報を集め、今後の看護計画を考えていかなければなりません。
また、病院にいるときのように検査などの診察を行うこともできません。高いフィジカルアセスメントのスキルが求められます。
「現場に一人」に対する不安がある
訪問看護は、基本的に「現場に一人」の仕事です。
病棟のように、近くに他の看護師がいないため、自分で判断し行動しなければなりません。
そんな重責を担えるのだろうか、自分の判断が間違っていたらどうしよう、と不安になることもあるかもしれません。
しかし実際には、ほとんどのステーションでフォローアップ体制が整っているので、何か気になることがあれば、すぐにマネージャーや先輩看護師に電話やチャットで確認することができます。
しかし、現場では自分一人しかいないため、その不安を拭い去ることができないかもしれません。